外伝2

突然の来訪者にゴクリと固唾を飲む
僅かな間の後、重い扉を叩く音が再び響いた
「私だけど、シェリル…まだ起きてるかしら?
さっきの事なんだけど、ザインとリムダが気にしてたから…
チョット様子を見にきたのよ」

(エ、エルザ!)
大獣人族と呼ばれる十二眷族の若き牛角族々長でもあるエルザとは
付き合いも長く、幼い頃より実の姉の様に慕っていた

ちなみに十二眷族とは
銀狼族 金獅子族 を中心に
鉄虎族 牛角族 山猫族 大熊族 獅子族 狼牙族
狐尾族 猪豚族 黒馬族 狒狒族 白蛇族 鰐顎族
ギガントの中枢を占める部族の事であり
各族長の意見は王であるウルダも無視する事は出来ない

寝たふりをしてやり過ごす事も考えはした
だが自分を心配し来てくれたエルザ
気に病んでいるザイン、リムダの事
なにより発情し慌てて退室した後ろめたさ
その総てがシェリルにそれを許さなかった
「あ、ああ起きているわよエルザ…
その…さっきのことは気にしていないから平気よ」

……わずかな沈黙
おそらくエルザは扉を開けるのを待っているのであろう
だがしかし開けるわけにもいかない
部屋は淫臭に満ち、肢体は発情したままであったからだ
「…そのなんだ…捕虜の処分はどうなった?
伯父上の兵とボアス将軍が来ていたようだが…」

扉は開けぬままエルザに問い掛けた
特別にその事を気にかけていた訳では無かったのだが
無言のままでは埒があかない
「え…?あ、ああ捕虜ね」
扉が開く事を期待していたエルザは少々動揺しつつも
シェリルの問いかけに答えた
「確かにガルム獅子王の配下のボアス将軍が参られました
それで…捕虜は将軍の命により男は総て処刑される事に
…女は慰みモノとして扱われるようです」

「そうか…」
予想はしていたことだ、獣人族の中でも獅子王は情け容赦が無い
彼が男の捕虜を生かしておいた事は一度も無く
女の捕虜は肉奴隷等、性的な玩具として扱っている事は
周知の事実なのだ
だがしかしそれを非難するものなどギガントには居ない
なぜならば帝国はそれ以上の事をギガントの民にしてきたのだから
「シェ…姫、如何致しましたか?
捕虜の件でなにかおありでしたでしょうか?」

エルザが公的な場でシェリルと呼ぶ事は無い
言い直したのも公私のけじめは付ける為である
ここは獅子王の領土であり、ボアス将軍はこの街の領主である
ギガントの王姫であり、街を守ったのが実質シェリルの部隊とはいえ
この処分に口を挟む事は金獅子族と銀狼族の関係を悪化させるであろう
それでもシェリルはそれを黙って見過ごす事は出来なかった
「その件は………んんっ!?」
ドクン
                ドクン
         ドクン          ドクン
襲い掛かる性の衝動
今までにも感じた事が無い程の強い欲求
ハァハァと息は荒くなる、頭がグラグラと揺れ
満たされなかった欲望を求めて手が自然に股間に導かれてしまう
「あ、明日、ボアス将軍と面会する…
その手はずを…とっておいてくれ…んん」

かろうじてエルザに伝えるものの
頭にちらつくのは帝国に捕縛された己の姿
手に持ったままのブラシで尻穴ゴリゴリとこじ開けようとしていた
(ダメ…まだ…がまん…)
意思を裏切るかのようにとろけるような甘美な快楽が脊髄を通り脳を焦がす
ずぶぶぶぶぶぶぶちゅん!!
「んがっ!」
(ぎひぃぃぃぃぃぃ)
ガクガクと崩れ落ちそうになる、ビクビクと身体は痙攣し
尻穴拡張アクメ身悶える
太い柄の部分はアナル口を越えぶちゅり腸内を圧迫している
苦痛に近いそれすらも次第に快楽に置き換えられていく
「…わかりました、その様に手はずは整えておきます…」
中の様子が判らないエルザではあったが、異質な何かを感じ取ってはいた
だがシェリルに扉を開ける様子は無い
いぶかしげな表情を浮かべながらもエルザは立ち去るしかなかった
「シェリル、もしなにか困った事があるのならいつでも相談してね
私たちはいつでも貴女の味方なのだからね」

「ハァハァ…わ、わかっている…」
かろうじて言葉を返すとシェリルはフラフラと部屋の隅に有る執務用の巨大な机へと向かった
扉のところにエルザがまだいるかもしれないのは判っていたが
もはや頭の中にはひとつの事しか浮かばなくなっていた
妄想?いやそれ以上の鮮明さでシェリルは淫夢に取り込まれていたのだ

どくんどくんどくんどくんどくん
どくんどくん 声が   どくん    聞こえる
エヴァ   どくん      ンス帝国伯  どくん    どくん
倒し  どくん   た敵
いや倒  どくん  したのなら   どくん   ばココにい   どくん   る訳が無い
どくん                              ココ?
ココと    どくん        はどこ               どくん  だ?
      私は捕      どくん     えられた
戦は負 どくん    けたの      どくん     か?
どくんどくんどくんどくんどくん


意識に靄が掛かる
グラグラと揺れる視界
渾沌とするなかシェリルは闇の中に紺碧の瞳を見たような気がした








ぐにゅり膣壁を押し広げられ
人前で晒した事の無い部分に男の荒い息がかかる
男の声に羞恥で頬が赤く染まる
抗う事ができるのは言葉のみ、男は私の声に構わず
尻肉を掻き分け、もっとも恥ずかしい部分をあらわにした
男は私の性癖を罵りながらアナル口に指をかけ
思うが侭に弄ぶ

ずぶずぶずぶちゅるるじゅぼぼぼ
いやらしい音を立てながら男のペニスが私の尻穴を犯す
ぐちゅぐちゅぐちゅ
尻穴犯されているというのに
私の身体は激しく快楽を貪っている
それを見透かしたかのような男の言葉
否定の言葉を口にこそしていたが
腸壁擦り犯される度に
淫らヨガっていた

ぐちょぐちょ犯されつづける
腸壁はすでに男のモノをしゃぶるかのように受け入れていた
激しく犯される
尻肉を犯される
言葉で犯される心を犯される
総てが犯される快楽に犯される私が犯される
アクメは連続で迎え最早何度イッたかはわからない
快楽の波は達するたびに大きくなり私を包んだ
「ほれ!逝けい雌豚!!
ケツ穴で喜ぶ浅ましい獣人が!!!
豚らしく変態アクメするがいい!!!」

「あああああぁぁぁぁ
ぶ、ぶひぃぃぃ イく イぎまずぅぅぅ
ケツマ○コでキュンキュンしまずぅぅぅぅぅ
い いぐうううう ぶピィィィぃぃぃ!!!!」

身体中に電気が走ったかのような激しいアクメを迎えながら
私は意識を失った








…次第に覚醒する
身体の火照りはほぼ収まり、脱力感と心地良さが同居していた
あれほど激しかった動悸は霧散していた
シェリルは軽く頭をふり周囲を見渡す、そして何時の間にか自分がベッドで寝ている事に気付く
(それにしても…先程のは一体…)
自分の性欲は強く、抑えが聞かない事はあったが
身体の自由が効かなくなった事は無かった
「…こんばんわ戦姫シェリル、満足していただけたかしら?」
ふいに声を掛けられる
慌てて声のほうを見るとそこには一人の少女がひっそりとたたずんでいた
少女の存在にも驚いたが、僅か数秒前にはそこに少女の姿は無かったハズである
「何者!」
腰の剣を抜こうとし丸腰である事に気付く
少女の右手には似つかわしくない程の長い柄の鎌が握られている
うふふと愛らしい笑みをこぼすと少女は続けた
「私の名前はE・L、どうか宜しくね戦姫」
年の頃はシェリルの半分にも満たぬであろう容姿
もちろん容姿だけで実力を測れば手痛い目を合うのは
部下のリムダを見ても判る事ではあるが
そういった常識の範囲を超え
(キヲツケロ!)
戦士としてのシェリルが少女に対し激しく警鐘を鳴らしていた

ELと名乗る少女問いただしたい事は多々ある
シェリルは枕もとに忍ばせていた護身用の短刀に手を伸ばした
その動きに気がついたかのように少女は目を細め僅かに鎌の先をシェリルのほうに向ける

ELとシェリルの間に緊張感が漂った


「うなー」

突然気の抜けるような声が少女の鎌の柄にぶら下がっていた巨大な繭玉から発せられた
「うなーうなー」
いやよくよく見れば繭玉ではなかったようだ なにか得体の知れぬ生物が寝袋のような繭玉から顔だけを出している

「……」 「……ゴホン」
シェリルは呆気に取られたかのようにその生物を見つめ
少女はバツが悪そうに咳払いをした
「こ、この子は使い魔のモモ…え、えーとまあネコ…のような…
そんな風味的なモノよ………おそらく…たぶん

そのいいようにシェリルは思わず
「はあ…」
とやはり間の抜けた返事を返していた

「うななー」
渦中のモモは特に気にした様子もなく再び気の抜けた鳴き声をあげている

「ゴホン…まあちょっと悪戯が過ぎたみたいだけど
私は別に貴女の敵って訳じゃないわよ」

鎌の切っ先をシェリルから外すと
少女は仕切りなおすかのようにそう語りかけてきた
シェリルも警戒こそ解いては居なかったが、それに習い短刀を枕元に戻す
シーツを身に纏うとベッドから離れ、少女の前に対峙した
「…ELと言ったな、私も実際に会ったことは無かったが
その長耳に使い魔、お前は…魔族なのか?」

「あらご名答、流石はギガントのお姫様ね
少しは私たちの事も聞いてるのね」

ELはあっさりと自分が魔族であることを認めた
「そうか…その魔族が一体何のようだ?
命を取りに来たとも思えぬが…」

「ホントは帝国との戦いに手助けに来た…んだけど
なんかもう終わっちゃってるし…
しょうがないので、戦勝の立役者である貴女に
ちょっとご挨拶がてら来たら
お楽しみ中だったみたいなんで…
ちょっと自慰をお手伝いを♪」

エヘヘと少女らしい笑みを浮かべて舌を出す
「そうか…
………先程の…淫夢は貴様の仕業か…」

シェリルはプルプルと小刻みに震えながら少女ににじり寄った
「あ、あら?しぇ、しぇりるさん?
もしかして……怒ってる?」

ELはおもわずあとずさった
「わ、悪気は無いのよ!良かれと思って…」
「………」
「ま、まちなさい!無言で迫ってこないでー!!」
「問答無用!」
「ぎにゃーーー」
「うなー」





「ゼーハーゼーハー・・・どう、少しは落ち着いた?」
ELは肩で呼吸を整えながらシェリルの様子をうかがった
「ゼーハーゼーハー…一応はね…しかし伯母上もなんでこんなのを…」
同じく肩で呼吸を整えながらシェリルは悪態を吐く
「ゼーハー…失礼ねえ、スーリヤ様が貴女の身体を気遣ってたから
私が来たんじゃないの!他のヤツじゃシェリルの性欲を抑えれないでしょ!」

シェリルの叔母であるスーリヤは亡き母の妹で
獅子王ガルムの元妻である
夫である獅子王との不仲のすえ
若い狼族の男と駆け落ちし
現在は銀狼族のモノでも一部のものしか知らぬ土地で名を捨てで暮らしている
その叔母は同じ銀狼の女だけにシェリルの身体についてもある程度理解していた
「性欲って…まあそうだが…逆効果じゃないのか? お前のせいで…スゴイコトした気がするが…」
「……まあちょっとやりすぎちゃった感はなきにしもあるけど
さっきも言ったようにこれで暫くは押さえが効くようになるんだから
…少しは感謝しなさいよね!」

その事に関しては確かに感謝すべきではあった
元々強い性欲を持つ銀狼族の女は
成人を迎えると一定周期で発情期に入るのだ
シェリルは丁度その発情期にあたるのである
普段の発情期は長くは無いのだが
成人を迎えたばかりの今は特に長い発情期に入ってしまうのである

「まあなんにせよ、これからも宜しくねシェリル♪」
「うななー」
シェリルはそう言って微笑む一人と一匹を一瞥すると
「はぁぁ」
と深い溜息をついたのであった





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