〜愛妻便り〜

会社からの帰り道、自販機で缶ビールを2本を買う
それが数少ない楽しみの一つ
誰も待つものの居ない安アパートへ只帰宅するだけは空しいからだ
だがそれもあと一週間の辛抱
長い単身赴任生活であったがそれもあと僅かで終わるのだ
そう思うと一年間過ごしたこの古ぼけたアパートにも妙な別れの寂しささえ憶える
玄関の戸を開けようとすると扉にあるポストに
なにか郵便物が挟まってるのを発見した
差出人は妻である真奈美だった


妻である真奈美とは学生時代からの付き合いで恋愛結婚
今も深く愛してる本当に良く出来た女だった
今回の単身赴任も付いてくると言ったのだが
会社の都合により置いていくしかなかったのだ

ただし毎日のように電話はしており
昨日も遅くまで長電話をしてしまった
その所為で多少寝不足ではあるのだが…
なんにせよこの様な封書を送るとはまったく聞いていなかった

封書には一枚のDVDソフトだけであった
いぶかしげにそれを持ち室内に入る
電気をつけるとそれの盤面には一文が添えられていた

愛するあなたへ 楽しんでね♪

それは良く見知った妻の文字
なにかはわからないが、多分私を驚かそうとして
昨日も内緒にしていたのだろう
直にでも妻に電話をしたかったが、とりあえずはコレをみてやるかと
プレイヤーのインサートし再生を待つ
暫くするとモニタにはホームビデオか何かで撮られた
我が家のキッチンの姿が映し出された
日付は一週間前だ

なにがはじまるんだ?あいつめ手の込んだ事を…
等とのん気に缶ビールのプルトップを空けつつ
何気なしに観ているとそこには…

手が震える
何が起こっているのかわからない
理解できない
ただ判るのはそこに映し出されている妻の姿は
最後に見た姿とはかけ離れたモノだと言うことだけだ
長いキス
妻はうっとりと目を細め、男にしなだれかかる
ねっとりとした唾液交換を堪能した真奈美は
カメラ目線でうっとりと私に微笑んだ

そこで一度画面が暗転する
再び現れたのは我が家の寝室だ
夫婦の為の部屋に見知らぬ男が居る
自分の居場所を侵されていく、そんなことにも嫌悪をおぼえた
かすかにモニタには映っては居ないが幾人かは判らないが男たちの声が聞こえる
とても下卑た嫌な感じの声だ
そうこうしているとカメラの前に男に抱きかかえられた妻があらわれた

妻の膣中に男のペニスがずぶずぶとはいっていく
あれほど広がってしまった性器だったが、それにピッタリと合う程の巨根だ
真奈美は嬉しそうに微笑むと自分が一度も見たことの無い
妖艶な表情で頬を染めていく
ずぶんずぶんと音が立つ程に荒々しい性交
それは雄の獣が狩りとったもの我が物とした証のような性交だった
気が付くと自分のペニスは痛いほど勃起していたが
涙がとまる事も無かった


いつのまにかモニタには青いバックだけが映し出されていた
どれくらい時間が過ぎたのか、何時終わったのか何もわからない
床には零れたビールが染みをつくっていたが、畳にすっかし吸収されていた

プルルルと携帯の音が鳴る
ディスプレイに映った発信主は真奈美

うわぁぁああああああああああああああああああああああああああっ

叫びをあげて泣き崩れる中
それは鳴り止むことなくひたすらなり続けた


終わり